海外営業とスペイン語族
メーカーや商社の海外営業職には、
かつて(2000年以前)はインターネットがなく日本との通信手段も限られており、また今に
比べて駐在期間が長かったので(10年間の駐在も珍しくなかったらしい)現地の女性と結婚
するケースも多く、スペイン語圏の駐在員は必然的に深く現地に入り込んでいた。なので、
この時代を現地で過ごしたスペイン語族の先輩方には日系人のような日本人離れした雰囲気
を持った方が多く、新入社員時代の私にはとても魅力的に見えた。
現在は、ネットやその他通信の発達、駐在員の増加、駐在期間の短縮(3~5年が一般的)に
より、駐在員や駐在経験者でもこのような日系人的な雰囲気を醸し出す人はあまりいない
(自分を含め)。駐在員とその家族の現地での生活環境が改善されたことは大変喜ばしいが、
スペイン語族のアイデンティティのようなものが薄れつつある感じがして、少し寂しい。